インディード メールマガジン

[2012年03月21日]<『イイ革』を作るには(-o-;)>
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水洗いタイコ 前回お話したZenithシリーズの『イイ革』の本生産を昨年11月より始めましたが、「革の問屋業に携わって50数年というKさん」に3ヶ月経ったった今でも未だに東奔西走していただいているという状態が続いています。
革業界では、生産分になるとサンプルと同じものがあがらないということが度々起こります。これは、本生産では枚数が多くなった分サンプル製作時と条件が変わってしまうということが大きな要因です。その条件の変化を見越してベテランの職人さん達は微調整を行い、なるべくブレが無いように仕上げていくのですが、ほんの些細なことで全く表情が変わってしまうこともあり、ほんとに魔物が棲んでいるのではないかと感じることさえあります。(実は、アバウトでサンプルを作ってしまい、再現性に欠けているということも多々ありますが、、、)

今回困難を極めている要因は、Zenithシリーズの革はある段階でたくさんのオイルを加えるのですが、そのオイルが、気温の低い状態では均一に革に馴染んでくれないという所にあるようです。今回もヘルプしていただいた「タンニン革のオーソリティーKさん」が悪戦苦闘の末『この革は暖かい時に生産してくれ!』と叫んだとか。わからないでもない。。。。

革が出来るまでにはたくさんの工程があります。昔よりヌメ革は、革を腐らなくする「なめし」の工程と染色と仕上げ、最終工程であるアイロンがけが分業されていました。ですからダブルKさんはそれぞれの工場を行ったり来たり、キリキリとしながら奔走してくださったようです。結果的には、なんとか先出しという形で生産に間に合せていただけたので、製品は3月より店頭に並ぶことになりますが、生産できない革が20数枚出てしまいました。新しい革を作るのにはハイリスクがつき物!そしてハイリターンはほとんど望めません。『イイ革』が出来たということがご褒美ですかね~Kさん。

30年近く『良い革を作りたい』という同じ思いをもった問屋業のKさんと私は、年齢や立場は違えども同士のような存在です。先日泣きの電話が入った時のこと、『日本でこれまでに無かった傑れた革を作っているのだから、安定するまで半年や1年かかるのは当たり前ですよー。』という私の愛のムチ的言葉に対して『そりゃそーだ~』と気を取り直してまた奔走してくれているKさん。こんな掛け合いがずっと続くことを願ってやみません。

イイ革を作るには

デザイナーFoo