インディード メールマガジン

[2011年12月29日]<『イイ革とは?』>
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ときどき、『イイ革とはどんな革なのですか?』とバイヤーや若いスタッフに質問されますが、これがなかなか一言で言い表せるものではありません。簡単に説明するとしても10分ほど時間を要する難問なのです。
しかし、はっきりとしている事は「使用目的によってイイ革の定義が違う」ということです。
たとえば女性用のきれいなフォルムを要求される靴用の革は、山羊や仔牛のような薄手で伸びる革が適しており、色落ちは許されるのですが、ビジネスバッグのように重い書類を運ぶのに適した革は、なるべく伸びにくく色落ちしない丈夫な革のほうがイイ革という訳です。

また、紛らわしいのは『イイ革』と『革らしい革』ですね。『革らしい革』とは人の感受性によるところのが大きく、好みによっても左右されます。おおむね革でしか表現できない風合いの革を指しているように感じます。
たとえば、ボルサシリーズのオイルレザーを他の素材でまったく同じクオリティーに作れるかというと不可能だと思います。また、表面にほとんどコーティングを施していない『素上げ』と呼はれる革を指すことも多いようです。これは経年変化で風合いが変わっていくタイプの革です。しかしこういう革は、色落ちしやすく、傷が付きやすかったりしますので、ビジネスバッグ向きの『イイ革』とは言い切れないということです。

11月に行われた来春発売のコレクションで、前回この欄で紹介した『傑SUGURU』にZenithシリーズが新たに加わりました。使用している革は、MADE IN JAPANに恥じない革を作ろうということで、企画の段階から、革の問屋業に携わって50数年というKさんと、タンニン革のオーソリティーKさんのダブルKさんにお力を借りて完成させました。この革はもちろん!ビジネスバッグに適した『イイ革』ですが、玄人が好む『革らしい革』でもあります。その証拠に、展示会に来場されたほとんどのバイヤーの方々から『イイ革』ですね~とお褒めの言葉をいただきました♪

これは『革らしい革』=『イイ革』という一例ですが、INDEEDが考えるビジネスバグッグに適した『イイ革』は、最低でも2、3年は使用しても型崩れせず、ますます革らしい風情を感じさせる革でなくてはならない訳ですから、Zenithシリーズの革も厳密に言うと、まだ『イイ革』かどうかはわからないということになります。

Zenith「天頂」の意味を持つゼニスシリーズ、イメージカラーは天空を想わせる深いブルーです

こちらの商品も、裁断から縫製・仕上げに至るまで名工が一本一本丹念に作り上げていますので、がんばっても月産10~15本ほどですので、来春2月中旬ごろから徐々に店頭に並び始めます。是非、『イイ革』を店頭で直接ご覧ください。そしてご使用頂き、ほんとうに『イイ革』かどうか検証いただけるのがメーカーとしては願ってもない話なのですが、、、

今年は、私にとってもいろいろと考えさせられた年でした。出身地が福島である私としても、今日より明日と前進出来るよう、良い日になるよう勤めていきたいと感じています。
皆さんにとっても良い年になりますようにお祈り申し上げます。

デザイナーFoo